日常文庫@紅花読書会

日常に関すること。山形市で紅花読書会を開催しています。

Book

【読書メモ】細田由利 第9章教室内相互行為ー制度的場面の分析『会話分析の基礎』

313 そのような制度的場面においても、言葉のやりとりはその制度的場面における相互行為の目的(例えば法廷において証言をする、診療を受ける、著名人にインタビューするなど)を果たすために非常に重要な役割を持つ。よって、その制度的場面において参加者…

【読書メモ】細田由利 第5章 修復の組織 『会話分析の基礎』

183 これまでみてきた連鎖の組織が機能するには参加者同士がお互いの行為を理解することが前提となっている。従って参加者間の間主観性を維持しながら相互行為を先に進めるためには、聞き取りや理解の上で問題が生じた場合、それに対処する必要がある。その…

【読書メモ】第8章「修復」平本毅(2017)『会話分析入門』

第1節 はじめに 191 相互行為を成り立たせるための前提となる発話の産出、発話の聞き取り、発話の理解にかかわるトラブルに対処する方法を「修復(repair)」と呼ぶ(Schegloff, Jefferson & Sacks 1977)。 この章では、修復が相互行為においてどのように…

フランシス&ヘスター 『エスノメソドロジーへの招待』 1章社会的相互行為、言語、社会

読書ノートのまとめとして、ブログを利用してみようと思う。 社会的相互行為 あらゆる社会的相互行為には、構造化されたものとしての性格をもつということ、意味は文脈によって理解可能になるということという二つの共通の特徴がある。6 構造化とは? ここ…

タルコット・パーソンズ『社会的行為の構造1 総論』「第3章 行為理論における個人主義的実証主義の歴史的発展の諸段階」その1

ホッブス問題を勉強するために『社会的行為の構造1 総論』の第3章を読んでみた。ここでは、パーソンズの紹介で簡単にすっ飛ばされるホッブス問題におけるパーソンズの議論を丁寧に追ってみたい。 結論をさきにいえば、第3章でパーソンズは、当時主流だった…

西阪仰「差別の語法-『問題』の相互行為的達成」『差別の社会学』

この論文では、いかに社会学が「(社会)問題」を問うべきか、その態度が示されている。 社会学は、差別や権力、精神病などの「(社会)問題」を賑やかに語ってきた。しかし社会学は、「(社会)問題」そのものの分析をあまりしてこなかったと西阪は述べる。…

蒔田備憲『難病カルテ-患者たちのいま』

1年後、重い貧血症状をきっかけに入院した。「関節リウマチ」と判明した。「お年寄りの病気」だと思っていた。口をついて出た言葉は、「なんで私が?」。 p292 『難病カルテ』には、68人の難病者の暮らしや生き方が書かれている。難病者の暮らしや生き方は多…

G・サーサス/H・ガーフィンケル/H・サックス/E・シェグロフ著 北澤裕/西阪訳『日常性の解剖学—知と会話—』

『日常性の解剖学』は「エスノメソドロジー」と「会話分析」の基本文献である。 下記の4つの論文が収められている。サーサス以外の論文は、なかなか読むのに骨が折れるので、『ワードマップ エスノメソドロジー』を読んでから読むとおもしろく読めるだろう…